広場との出会いはいつだって個人的な思い出
きっと最近、
だいぶん広場が必要だっていう意見が増えてきているとして、
それはたぶん、ここに至るまで三十年間くらいにわたる
たくさんの人たちの個人的な体験の積み重ねの賜物。
誰も見たことが無くて、どこにも今は無くて、それでもいつか
今はないそれが本当に実現するのは、
まるで薄い紙みたいな情熱を何枚も何枚も重ねていく、そういったことの積み重ね。
薄い紙の1枚の存在感は薄くても、
重ねていたらいつのまにかちゃんと形になっているような。
そう最近、広場が必要なんじゃなかろうかという声がある一定のボリュームを
持ち始めて、しかもそれがじんわりと好意的に受け止められているのは、
日本の人たちが、世界を旅行するようになったからなんじゃないのかと。
そしてたくさんの人が気軽に旅行を始めるようになったきっかけは、
プラザ合意とやら以後なんだそうです。そのプラザ合意は、1985年。
プラザ合意で海外旅行業界に起こったことを端的にいうと、円高になって、
海外に行きやすくなったってこと。
その後の90年頃のバブル景気頃で、
海外旅行者が1000万人を超えるようになったそうです。
今現在の海外旅行者は年間1700万人だそうな。
(とかいって、「海外旅行、プラザ合意」でググったら、
chikirinさんのブログが面白かった。)
うーん、これは面白い。プラザ合意前は、
普通の人は簡単に海外旅行が出来なかった、とあって、
なるほど、日本の人たちのものを見る目が肥えてるのは
このプラザ合意以後、気軽に行けるようになった海外旅行が、
多くの益をもたらしてるんだな、と思った次第。
話を戻すと、
バックパッカーのバイブル本「深夜特急」を沢木耕太郎が出したのは1986年。
wikipedia様の「深夜特急」を紐解くと、こんな解説がかいてあります。
「深夜特急」刊行後は、バックパッカーの間でいわばバイブル的に扱われるようになり[1]、80年代と90年代における日本における個人旅行流行の一翼を担った。(@wikipedia)
この本の登場で、世界を個人的に旅行する人たちが増加した訳ですね。
パック旅行をするよりも、個人旅行をする方が
カッコいいっていう感覚が定着したのもきっとこの本から。
(1986年刊行っていうのが意外と新しいな、っていう感想。
1970年代に出てたのかと思ってました。
初めて海外に出ると、かなりのことが新鮮で、
そもそもその国のことが気になっていくもんだから、
10日間くらい旅行してきただけでも、
結構その国フリークになっちゃうことってよくある。
初めてアメリカに行った時はシリアルをお土産に6箱くらい買って帰ったし、
イタリアに行った時は、エスプレッソマシンをフリマで衝動買いするくらいには、
イタリアかぶれになったし、
上海行った時は、何となく中国チックなインテリアに憧れたりとか。
旅を重ねて旅行上級者になると、
そういう海外旅行初心者が自然と持てる感動がなかなか持てなくなっちゃう。
それだけ海外旅行最初の感動はものすごい新鮮。
さて、私にもそういう新鮮な時期があって、
(まあ最近も旅行からご無沙汰な為に、そういう新鮮さは今でも保ているようですが)
そう、そのとき出会ったのが広場だったのです。