奇跡の起こし方 〜富山のヒーロー登場の巻4〜
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さあ、ちょっとふわふわしたでも結構大事な話題が続いた後は、
もう素晴らしすぎて、手出しが出来ない富山の話に再々チャレンジ。
にぎわいの場 富山グランドプラザ: 稼働率100%の公共空間のつくり方
- 作者: 山下裕子
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2013/10/01
- メディア: 単行本
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素晴らしすぎるけど、それをそのまま一言一句間違えずに写してたら
あんまりPR担当の意味がないので、
この本からどんな教訓やアイデアを受け取れるか、必死に頭を絞ってみます。
富山にある広場は「グランドプラザ」というんですが、
この本の帯文は、
「グランドプラザは、一つの“奇跡”である」
とあります。
ふむふむ、と思いながら見ていた訳ですが、
はっ!と思ったのは、
確かに、富山の広場が奇跡的なのは、
その自治体や地域の一等地とも言える良い場所に、
たまたま広場になりそうなスペースが空いていて、
それをちゃんと広場として使う、っていう合意が得られたことにあります。
あとは、公共交通(セントラム、ポートラム)がちゃんと整備されてて、
中心市街地に人がくることができる、っていうのも大きいです。
他の地域で広場を作る時ネックになりそうなのが、
この、
①ちょうどいいスペースの空間が中心市街地にあって、
②そこが広場として使われる、という合意が出来て、
③しかもちゃんとそこに人がくる、
っていうこの3つな気がします。
そんな訳で、どうやって富山の広場が出来てきたのか、
本から引用してみます。
1992年頃から、市内で最も歴史のある商店街のアーケードに面した
一画において、隣接した2地区が同時期に再開発をする構想が発案され、
結果的に、2005年に駐車場を核とした再開発ビルが、2007年に百貨店を
核とした再開発ビルが完成しました。
そして、(中略)市役所が「まちなか広場」を整備しました。
すんごいざっくりした話をすると、整備する前はこんな敷地だった訳ですが、
整備した後はこんな感じ。3本あった道路を真ん中に持ってきて、
(道路の付け替え手法ってのがあるんだそうです。)
両側に出来た建物の敷地からセットバックで敷地をもらって(マゼンダの部分)、
真ん中にグランドプラザが出来ました。
まちなか広場として整備した場所は計画当初は、移転開業する
百貨店等のバックヤードとして整備する予定でした。
しかし当時助役であった望月明彦氏が「都市の一等地、しかも
それなりの大きさでまとまっているこの敷地をバックヤードにするのは
あまりにもったいないのでは」と発言され、雨雪の多い富山の気候風土に
適した屋根付きの広場を発案されました。
(註:助役は自治体の副市長)
助役の人、すご!って思った訳ですが、きっと広場にするっていう
話は、この方の一言でいきなり始まった訳じゃなくて、
もともと中心市街地をどうにかしたい、っていう
意識が共有されていた事が勝因だった気がします。
富山市役所のホームページには、この広場の話ではないですが、
まちなか居住をどうやって推進していったらいいか、というテーマの
シンポジウムの議事録なんかが残っていて→富山市 まちなか居住シンポジウム
(平成16年=2004年なのでちょうど11年前のもの)
また、この本を書いている山下裕子さんも、
この2004年に発足した「グランドプラザ活用委員会」に参加し始め、
実に3年がかりでグランドプラザの完成に関わっているようで、
もう、10年前くらいには、富山は、そういう方向に向かって歩き始めてた。
うーん、すごい。
シンポジウムみたいなものが、その場限りにならず、
ずっとちゃんと活動が続いて、それが結果として現れてるのがすごい。
先にリンクしておいたまちなか居住シンポジウムの
パネリストは、延藤安弘さんだったりして、それもまたなんか感動。うん。
なんか延藤さん(とか、さんづけで良いのだろうか?)の本なんかは、
学生さんの頃にわりと読んでのですが、その人が主張されていたようなことが、
こうやって人に拡がることで、実際にまちの形になっていくようなのは、
なんか良いね。とても。
奇跡の起こし方なんてタイトルにしたけど、
どこにも奇跡なんてなくて、ただ、ずっと情熱をもってその場を
作ろうとしてた人たちがいた、っていうことでいいでしょうか。うん。
つまり情熱を燃やし続けるしかない訳だ。うん、頑張ろ。