中心市街地の超一等地を広場にする〜富山のヒーロー登場の巻6〜
さて三日間に渡ってながながと都内の人気の街に広場を作ってきた訳ですが、
ここで再び富山の本に戻ってみましょう。
にぎわいの場 富山グランドプラザ: 稼働率100%の公共空間のつくり方
- 作者: 山下裕子
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2013/10/01
- メディア: 単行本
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この本の中にどうしてグランドプラザが
広場として成功したかの秘訣が書かれている訳ですが、
そのうちの一番最初にある秘訣がこちら。
中心市街地の超一等地を広場にする。
どうですか。
自由が丘も吉祥寺も下北沢も、めちゃくちゃ一等地に広場を作ってみましたよ。
土地購入したら一体何億になるか予想もつかないくらいの。
ちょっと本から引用。
①中心市街地の超一等地を広場にする。
都市の中でも人の営みが特に集合している、中心市街地の
誰もが日常的に通行している場所に、広場を整備するのが
重要です。と言うことは、土地代だけでも大変な金額になります。
そこに空っぽな、でも美しく、そして何かをしたくなる広い場所を
整備するのが「まちなか広場」事業です。しかし、民間単独では
実現困難で、行政の技を活かしきることではじめて実現することが
可能な事業ではないかと考えています。
現状の価値観では購買行動が発生しない場所に、巨額な投資をして広場を
整備することの意義をすぐには理解し難いかもしれませんが、
広場を日々眺めていると「まちなか広場」という場所がこれからの都市に
おいて、とても重要な場所になるという確信が次第に深まってくるのです。
ですって。うん。なんかこう納得。
ちなみに吉祥寺の歩行者がどういう風に街をあるくか、
イメージで書いてみた図がこちら。(ものすごい主観です。)
多くの人が 駅前を出発して目指すのは、どちらかというと駅の左側(西側)です。
駅の左側には、パルコ、東急百貨店、ロフトといった商業施設があって、
どちらかというと左側に楽しいものがあるからです。
東急百貨店の裏には、これまた小さな店が集っていて、これも人を引っ張る要因に
なっていますね。
ちょっと吉祥寺に遊びにいくなら、大抵は左側を中心に散策するでしょう。
地図をけしてみるとこんな風に人が歩いている感じ。
で、ここに広場を置いてみると…
どうですか。ものすごいアクセス多そう。
もともと、人が渦を巻いているような場所にぽっと広がりのある場所を
作ってあげると、自然とそこに人溜まりが出来ていきます。
そこが広場として最適な場所。
そして駅前だと、駅の求心力が強すぎて(=駅に向かって足早に歩く人が多すぎて、)
その足早に歩く人たちのペースに広場が引っ張られて、
のんびりしづらくなってしまうので、
駅前よりも、少し引っ込んだところにします。
例えば、渋谷駅前のハチ公前広場は一応広場という位置づけですが、
駅から出てきて、渋谷のまちに向かう人と、
まちから駅に向かっていく人、という層が多くて、
ここでゆったりしろ、と言われても難しいかも…というところです。
うん、でも取りあえず、街の一等地に広場をつくるのが大事ですよ!
という話でした。