ちなみに広場について書いてます。

広場について綴るブログです。

モールについて語ってみる

モール。はい、来ました、モール。重いテーマだ…。

重いテーマに手を出してしまった。

 

いや、好きですよ、モール。ショッピングセンターと言ってもいいですけど。

品揃えの良い本屋はあるし、カフェはあるし、おもちゃ屋さんはあるし、

時間つぶしには最高ですよ。行っちゃいますよ。

浅草行くより、東雲のモール行った方が東京のローカルが分かる言うのも納得、

とついついつぶやいてしまうような本を買った。

 

 ショッピングモールから考える。(初めてkindle買っちゃったよ。)

 

 

モールに捧げた金銭はどこに行く?

 ただね、ただね、その快適で楽だ、

っていうそこに安穏としてていいのか、っていうそういう抵抗感というか。

以前も書いたように、

多分この先中間層は落ち込んでいくばかりで、

イケダハヤトさんがいうように年収150万円で生きていかなきゃならないとして、

それなのにわざわざ資本の王たるモールに

そのわずかばかりの収入を毎週毎週週末に捧げてていいのか、と言いたいのよね。

 

そうやって捧げたわずかばかりの金銭は、

ほぼほぼトリクルダウンせずに企業の余剰金として塵と積もっていくわけで、

それはつまり、どちらかというと中間層を没落させるためのものに

なってしまうわけよね。

もちろん企業の論理として、人件費を削減していくのは、

賢くてクールな選択肢なわけですが。

 

質問者A:自営業者対大手という構図になるとなかなか勝ち目が無いので、

もう少し自営業者が入り込む余地はないのかなと。

東: うーん。質問の意図は分かるのですが…。しかし、個人商店の強みと

いうのはなんでしょう。そこでしか買えないものがあったり、

なにか個性があって、勝負したりするというのならば分かる。けれど今や、

個人商店も大手チェーンも基本的には卸売業であって、同じものを

売っている。だとすれば、安くて品揃えが充実していた方が

良いにきまっている。

  

と引用してみました。安くて品揃えが充実しているのを好むのは

全く普通のことなんだけど、

(かくいう私もまったくそういう風にしか消費行動を起こしてないけど)

ただそれが長期的には自分のポジションを良くするものではなく、

むしろ自分のポジションを落としていくことであるのに、

全く何の抵抗もしないのは本当にそれでいいのか、と思う訳なのです。

 

人間は、環境で動かされるところもかなりあるから、

もし、モール的に整った、でも小商いが強い消費の場があれば、

わりと自然とそういう場所で買っちゃうんじゃないの?

 

モールに10年間通って得られるものは?

今は商売の場の話をしていたけど、

その商売の場が同時に人生のtipsを得られる場所だったらどうでしょう。

 

もし毎週末に通っているだけで、

仕事の起こし方も教えてくれる人間関係を作れたり、

実際自分でも屋台を始めて見ることが出来たり、

今のところおおかたの家庭は核家族か2世帯居住で、

子どもにとってもなかなか斜めの関係の他者と関係なんて持てないけど、

斜めの関係の人と知り合う機会を持てたりとか、

そういうことを10年やってれば、

人生を自分でハンドルできる力を持てる可能性がある。

 

そしてそれを可能にする場が

広場っていう場なんじゃないかな、と思ったりするのです。

そういう懐の深い場になる可能性が広場にはある。

 

毎週毎週モールに行って、10年間で得られるものは

自分のポジションを緩やかに下降させることだけだけど、

毎週毎週こういう場に行って得られるものは大きな人生の財産なんじゃないかな。

 

人生を自分でハンドルできる力を身につけるのは、

今の現状でも出来る人はいるから、必ずしも広場が必要な訳じゃないけど、

例えばそれは親が自営業で、商いの仕方を肌で分かってるとか、

行動力がかなりあって、都内で毎週いろんなイベントに参加できるとか、

自分で仕事を起こせる人と自然とコンタクトとっていけるひととか、

ある意味恵まれている人ともいえる。

 

割合で言うと、高収入の親の元からのほうが、

レベルの高い大学にいけるのと同じように、

自分の生まれ育った環境や、もともと外交的、行動的という要素を持っている方が、

人生を切り拓いていく力が強いようなもんかな。

 

非正規で働いている人はそういった機会に恵まれなかっただけかも知れない。

850円でバイトをし続けているうちに、何も得られないまま年をとっていって、

でもそれは彼なりの精一杯だったかも知れない。

もし彼にそういったtipsが自然に得られる環境が整えられたら

もっと違う人生の方法を思いついたかも知れない。

 

子どもの時代に、毎週毎週モールにいって、飾られているおもちゃを

みて消費欲をあおられる代わりに、

毎週毎週そういう広場にいって、ちょっと年上のお兄さんから

じわじわと人生の送り方をまなんだら全く違う人生を送っているかもしれない。

 

そういう教育的な効果を持たせることができるのが

広場なんじゃないのかなって思うのよね。

 

 それでも広場を作りたい 

たしかに今のところ広場を作るって言っても、方法論はすぐには見えてこない。

一体どこの空間を、どういう資本で、どうやって広場にするんだって

そこの運営は一体誰がどうやるなんて、胸ぐらを掴まれても答えられない。

 

だけど、今やり方が見えないからと言って、

それが作らなくていい理由にはならないのです。

 

やっぱり広場はあるべきだと思うし、

カフェがこの15,6年間であっという間に日本を席巻したように、

広場も日本中に出来上がっておかしくないものだもの。

 

 

コンバージョンレートの低下が表すもの

多分毎週モールに行っちゃうのも、

結局他に分かりやすく行きやすいところがないのですよ。

 

だって、大人にとっては、公園なんて別に面白いもんでもないもん。

もちろん、子どもの気持ちを鑑みて、出来るだけ精一杯

子どもの気持ちになりきって公園遊びをするけど、

さすがに1時間公園遊びをしてたら、

「ちょっとコーヒーでも飲ませてくれ」って言いたくなる。

子どもが遊んでるのを砂場のそばに立ってみてるだけなんて、

そりゃ面白くなくてもしょうがないし、冬なら寒いし、夏なら熱いし。

そんなわけで空調が効いてて、大人の楽しめる娯楽があるモールが

定番のお休みのコースになってしまうんでしょうね。

これも似たような箇所があったので、本から引用。

 

アメリカにあるモール・オブ・アメリカの紹介途中で)

このモールはとにかくすごい広いので、ぐるぐる回っているだけでも

一日つぶれるんです。面白かったのは、モールなのに買い物袋を下げている

人が意外と少なかったこと(笑)。みんな実は何も買っておらず、

時間つぶしに来ている。まさに公園ですね。

 

以前どこかで、これ以外でショッピングモールについて

書かれた文献を読んだ時にも書いてあったのですが、

オープンして、しばらくたつと、コンバージョン率(レート)が下がるんだそうです。

コンバージョンレートというのは、そのお店に来店した人のうち、

どれだけの人が買い物をしたか、という率。

つまりぶらぶら暇つぶしに来るけど、特にものは買わず、

お茶飲んで済ます、というお客さんが多くなってくるという訳ですね。

 

スーパーみたいな業態じゃない限り、

コンバージョンレートが下がることは、普通のことなんでしょうが、

つまりそれだけ、特に買い物する訳じゃないけど、

なんか家じゃない他の場所にいたい、っていう気持ちが

多くの人の中にあるっていうのが、証明されたってことでもある訳です。

サードプレイスが欲しいってことでもある訳です。

ここで私はサードプレイスを広場、って読み替えてしまう訳ですが。

 

というモール論、ちょっと詰めも甘いところもあるかもしれませんが

この辺で。しかし、見出しをつけるっていうのは、

また違う頭の筋肉を使いますね。

  

 

ちなみに我が家は年末年始、

とくに大晦日とお正月連続でモールに行くことは

自分に禁止してます!(詳細は以下のエントリで。)

 

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