ちなみに広場について書いてます。

広場について綴るブログです。

個人的な広場との思い出の話を聞こう〜陣内秀信さん編〜

 よし、シリーズ化決定。

こちら、イタリアの都市・建築史研究の第一人者の方でございます、

陣内秀信さんの本から。(またしても勝手に名前をだしてしまいました)

イタリア 都市と建築を読む (講談社プラスアルファ文庫)

イタリア 都市と建築を読む (講談社プラスアルファ文庫)

 

 こちらは、主に、イタリアの北部ヴェネツィア

中部ボローニャ、南部チステルニーノについて書かれた本です。

 

 

気軽に立ち話の輪ができる生活広場

 

ヴェネツィアの)数多い住宅地区の広場の中で、人が好んで集まるのは、

 

カンポ・サンタ・マルゲリータ(campo S. Margherita)

 

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(写真はカンポ・サンタ・マルゲリータ

カンポ・サンタ・マリア・フォルモーザ(campo S. Maria Formosa)

 

カンポ・サント・ステファノ(campo S. Stefano)である。

 

これらの広場には、一年の半分近くの間、カフェのテーブルが並び、

 

夏は日除けのパラソルがいろどりを添える。

 

こうして町のどこに住む人も、歩いて簡単に居心地のいいカフェに着ける。

 

年金生活に入った老人たち、授業をエスケープした学生たち、

 

家事から解放された子ども連れの女性たちが、

 

自分の好みに合ったカフェの戸外に並んだ椅子に陣取り、

 

一杯のコーヒーでのんびりと時を過ごすのである。

 

車の排気ガスも騒音もない広場には、子どもたちのにぎやかな歓声だけが

 

響き渡っている。

 

 

もちろん私も、うっとうしい下宿の部屋から本を小脇に抱えて抜け出し、

 

すぐ近くのサンタ・マルゲリータ広場のお決まりのカフェへ

 

足を運んでは、このヴェネツィアならではの最高のぜいたくに

 

身を任せたものである。

 

 

 

 

しかし、このような日頃にぎわいを見せる戸外の場所も、

 

長く厳しい冬の間はまったく様相を変える。

 

広場からは人の姿が消え、運河の水は色彩を失い、

 

石造りの街全体が霧の中にひっそりと身を沈める。

 

 

 

 

それだけに、人々の春を迎える喜びには想像を絶するものがある。

 

待ちに待った太陽が姿を見せると、広場という広場には、

 

子ども連れの母親がいっせいに飛び出す。

 

こうして、町には一気に生命感がよみがえるのだ。

 

3月初旬のある日、陽光のまばゆいザッテレの岸辺で目にした

 

はしゃぎ回る子どもたちの姿は、今も忘れることはできない。

 

 

 

初めてイタリア旅行でヴェネツィアに行ったのは、

ちょうど冬が終わる3月の初旬で、

旅行の最初の一週間を一緒に廻っていた友達と別れたばかりの時。

(友達は他の国を巡ることにしていたのでした。)

 

友達と別れて、まさに独り旅になって、ちょうど不安なところに、

ヴェネツィアについた日はちょうど雨がしとしとと降っていて、

ちょうど上の写真のように寂しい雰囲気の上に、雨でだんだんスニーカーが濡れてきて、

運河を走るヴァポレットに乗ってみたものの、ヴァポレットにも

水たまりがあって、スニーカーの中の靴下までびしょぬれになって、

泣きたくなった、というか泣いてた思い出もあります。

懐かしいですね。

 

 

村上春樹が冬のヴェネツィアもいいもんだ、とおっしゃってましたけど、

www.welluneednt.com

確かに落ち着いてみれば、冬のヴェネツィアもよさそうですね。

一人旅には寒そうな場所ですけども…。

 

うん、なんかヴェネツィアに行きたくなっただけのエントリでしたね。うん。