ちなみに広場について書いてます。

広場について綴るブログです。

良い広場を作る時に守るべき5つのルール その2

さあ、どんどん続き行ってみましょう。

 

「守るべきルール」を再掲しておきます。こちら。

 

1、広場の中央を自由にしておくこと。

2、広場は閉ざされた空間としておくこと

3、広場の大きさと形

4、古い広場の不規則な形

5、広場群

 

今日はその2

 

その2、広場は閉ざされた空間としておくこと

さあ、これはジッテ先生の説を聞いてみましょう。

 

都市の中の空いている空間が広場と呼ばれるのは、

 

主としてそれがはっきりと限定され、閉ざされ、固定されていることから

 

来ていることは明らかである。

 

ところが今日では、四本の道路に囲まれただけの空間や建物の建設を

 

放棄した為に出来たバラバラの空き地を

 

勝手に広場と称している有様である。

 

だそうです。限定して、閉ざして、固定しているから広場と呼べるわけですね。

続きをどうぞ

 

これは衛生面、あるいは技術面ではまだがまんできるとしても、

 

芸術的な観点からすれば未建設用地に過ぎず、

 

とても都市の広場と呼べるものではない。

 

これに美しさ、意味、性格を与えるためには他の条件が必要である。

 

なぜかというと、同じ部屋にも家具・調度を備えたものもあれば、

 

がら空きのものもあるように広場にも明確に定義され、

 

秩序だてられたものと、秩序、整備というものをまるで書いているものが

 

あると言えるからである。

 

部屋の場合と同様に、広場の場合もその本質的条件とは、

 

いずれも空間がはっきりと限定され、閉ざされているとういことである。

 

以前、広場は街のリビングだ、と書いたわけですが、

ジッテ先生も部屋の例えをだして広場を説明してますね。

部屋である為には壁で囲まれている必要があって、壁で囲まれていなければ

そもそも部屋とは呼べないわけです。

なんで広場は部屋的でないといけないか?いくつか理由がありそうですが、

大事なことのひとつがこちら。

 

部屋的にすることで賑わいを引き起こすことが出来る。

 

ここで現代日本の広場の匠に登場して頂きましょう。

 

広場のデザイン―「にぎわい」の都市設計5原則

広場のデザイン―「にぎわい」の都市設計5原則

 

 

小野寺泰さんです。

この本の中で、このジッテの5原則に言及しているのですが、

この閉ざされた空間としておくことについてはこう述べられてます。

 

にぎわいを形成するには、ある程度囲い込まれた領域性が必要だ

 

というのは設計家の自分も実感している。

 

ベテランの匠がこうおっしゃってるわけですな。

 

 

 

 

そしてさらにもう一方ベテランを引き出してみましょう。

こちら。

人間の街: 公共空間のデザイン

人間の街: 公共空間のデザイン

 

ヤンゲールさんです。

ヤンゲールさんは、賑わいをつくり出すのは相互作用だ、と書いておりました。

 

hiroba.hatenablog.com

ここの時は、特に壁の話をしませんでしたが、

賑わいは相互作用なので、にぎわっていればよりにぎわうし、

廃れてくれば、より廃れるという法則が働きます。

小野寺先生は、広場が囲まれていないと気が抜けてしまう、という言い方で

広場が囲まれていることが重要という話をされていたんですが、

確かに囲まれていれば、

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こういう乱反射がおきますけど、もし広場を囲むものが無ければ、

もう抜けたい放題です。こんな。

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つーつーです。 

 

ジッテ先生は、この広場を囲うものがどんなものがあるか、という話の中で

一般的な建物という囲いの他に、

柱廊とか回廊、凱旋門を上げています。

うん、今の時代なかなか柱廊とか作るの難しそうだけども…。

 

 

 

現代だったらどうやって広場を囲うのか

小野寺先生は現代の日本で囲うというのをどうやって実現できるか模索していて、

木立を広場のまわりに配することでその場を薄く包んだり、

石やベンチをおいたり、というような手法を使っているようです。

うーん、そのものズバリの壁や建物で囲うのは条件が揃ってないと難しいんだな…

と思ってた矢先、知った

 

「姫路駅北駅前広場」

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(画像は神戸新聞NEXTさんよりお借りしました)

 

 

こ、これは、包んでる…!!!包み込んでる!!!!

カンペキに包んでる!!!

 

 

 

ここはねぇ…絶対気分良い空間だと思う。

だって、川が流れてて視線の方向が決まってるし、

座る場所がナチュラルにあるし、後ろの壁が包み込み感をもたらしてくれて

安定感があるし。うん、きっとここから歩いて10分の距離に住んでたら

毎日行くね。毎日広場ライフを送りにいく。絶対。

 

ということでだいぶジッテ先生のお話からはずれてしまいましたが、

囲まれてるってのは大事ですよ、ほんとに!!